Column

サッカーユニフォームの年代はどこで見分ける?タグで判定する方法

サッカーユニフォームの年代はどこで見分ける?タグで判定する方法

「クローゼットから出てきたけれど、これがいつのユニフォームか分からない」——買取のご相談で最も多いのがこのご質問です。手がかりは、襟の内側に縫い付けられた小さなタグにあります。この記事では、当店の在庫にある実物のタグを見ながら、年代を読み解く手順をご説明します。

ユニフォームの年代はタグで分かりますか?

おおよその年代は分かります。タグには「ブランドロゴの世代」「製造国」「サイズの表記方法」「洗濯表示の様式」という4つの手がかりが同時に載っているためです。

ただし、タグ1枚で年式を1年単位まで断定することはできません。同じタグが数年にわたって使われることも、生産国や工場によって仕様が違うこともあるためです。実務では、タグで年代の幅を絞り込み、そこにデザイン・スポンサー・エンブレムの情報を重ねて特定していきます。

まずは、タグのどこを見るのかを順に確認します。

製造国の表記からは何が読み取れますか?

製造国は、年代を絞り込む手がかりのなかで最も分かりやすいものです。多くのスポーツブランドが1990年代を境に生産拠点を海外へ移しているため、「どこで作られたか」がそのまま時期の目安になります。

下の写真は、当店で扱ったイングランド代表1992年モデルのタグです。UMBROのダイヤモンドロゴの下に「100% POLYESTER」「97−102cms/38−40inch」、そしてその下に MADE IN ENGLAND と印字されています。

イングランド代表1992年モデルのUMBROタグ。MADE IN ENGLANDの表記が見える
イングランド代表 1992|UMBRO製・MADE IN ENGLAND表記

UMBROはイギリス発祥のブランドで、かつては英国内で生産していました。1990年代を通じてアジアへの生産移管が進み、2000年代以降のものはほとんどが中国製などに変わります。つまり 「MADE IN ENGLAND」と書かれていれば、比較的古い時期の個体である可能性が高いと判断できます。

同じことは他ブランドにも言えます。adidasの「MADE IN FRANCE」「MADE IN WEST GERMANY」、FILAの「MADE IN ITALY」なども、当時の生産体制を示す表記です。とくに西ドイツ表記は1990年のドイツ統一より前を意味するため、年代の下限がはっきりします。

サイズ表記の書き方でも年代が分かりますか?

分かります。サイズの示し方には時代ごとの流儀があり、これが意外に強い手がかりになります。

先ほどのUMBROタグをもう一度見てください。「97−102cms/38−40inch」と、センチとインチを併記して胸囲の範囲で示す書き方をしています。S・M・Lのようなアルファベット表記ではありません。これは英国製ユニフォームに見られる古い様式です。

一方、下はスペイン代表のadidas製シャツに付いていたタグです。ブランド名の下に各国の国旗が並び、その横にサイズが記載されています。

スペイン代表のadidasタグ。国旗が並んだサイズ表記が見える
スペイン代表|adidas製・国旗を並べた各国サイズ対応表

ドイツ、イギリス、フランス、アメリカ、スイス、カナダなどの国旗を並べ、国ごとに異なるサイズ表記を対応させる方式です。欧州を中心に多国展開していた時期のadidasに見られる仕様で、現行品のシンプルなサイズタグとは明らかに様式が異なります。

タグを見ても年代が分からないときは、そのままお送りください。写真1枚で、こちらが年代とモデルをお調べします。

洗濯表示の様式は手がかりになりますか?

なります。洗濯表示は各国の規格改定の影響を受けるため、記号の形式そのものが時代を示します。

下は同じくイングランド代表1992年モデルに付いていた洗濯表示です。

1990年代のユニフォームの洗濯表示タグ。英文の指示が併記されている
洗濯表示タグ|記号に英文の指示を併記した様式

「SYNTHETICS CYCLE」「DO NOT CHLORINE BLEACH」「COOL IRON」「DO NOT DRY CLEAN」「DO NOT TUMBLE DRY」——記号の下に 英文の指示が併記されているのが分かります。近年のものは記号のみ、あるいは多言語を細かく並べた小さな折りたたみタグになっており、この素朴な様式とは印象が違います。

また、日本国内で正規流通したものには日本語の品質表示タグが別途縫い付けられています。逆に日本語タグが無ければ、海外で購入されたか並行輸入品である可能性が高いと考えられます。

ブランドごとにタグの特徴は違いますか?

違います。ブランドによってタグに載せる情報も、その書き方も異なります。当店の在庫から4枚を並べてみます。

PUMA──会社名と住所が印字されている

下はカメルーン代表シャツのタグです。「PUMA AG Rudolf Dassler Sport」という社名と、ドイツ・ヘルツォーゲンアウラッハの本社住所、そして「STYLE NO. 740193」という品番が印字されています。

カメルーン代表シャツのPUMAタグ。社名・住所・品番が印字されている
カメルーン代表|PUMA製・社名と品番を印字したタグ

PUMAは創業者ルドルフ・ダスラーの名を社名に併記していた時期があり、この表記自体が年代の手がかりになります。さらに 品番(STYLE NO.)が読み取れる場合、そこからモデルを特定できることがあります。タグに数字の羅列があれば、消さずに残しておいてください。

Nike──新しい世代のタグは情報が凝縮されている

比較のため、2010年代のシャツも見てみます。フランス代表のタグです。

フランス代表シャツのNikeタグ。DRI-FITとMADE IN THAILANDの表記
フランス代表 2012|Nike製・MADE IN THAILAND表記

「DRI-FIT」という機能素材名、「MADE IN THAILAND/FABRIQUÉ EN THAÏLANDE」の二言語表記、右下にはウェブサイトのURL。ここまで見てきた1990年代のタグと比べると、情報量が多く、印刷も精緻です。

この差が年代を見分ける感覚の土台になります。古いタグほど印字が素朴で、載っている情報が少ない傾向があります。

UMBROとadidas──前述の2枚

すでにご覧いただいたUMBROのイングランド製表記、adidasの国旗一覧も、それぞれのブランドに固有の様式です。同じ年代でもブランドが違えばタグの見た目はまったく異なるため、「このブランドならこの様式」という対応を知っておくことが判定の近道になります。

ブランドロゴの世代はどう見分けますか?

ロゴは各社とも数年から十数年おきに更新されており、その世代を知っていれば大まかな時期を絞れます。

UMBROの場合、ダイヤモンドを2つ重ねたおなじみのマークが長く使われてきましたが、細部は変化しています。1970年代から2000年代初頭にかけては大きめのダイヤで、角が尖った形状。2000年代に入ると細長くスタイリッシュな形に変わり、2008年以降は再び大きめで角に丸みのある形に戻ります。ロゴの下に添えられる「umbro」の文字が小文字か大文字かも、おおよその世代を示す手がかりとされています。

ただし、この種のロゴ変遷は公式に年表が公開されているわけではなく、コレクターの間で共有されている経験則です。当店でも判断材料の一つとして使いますが、これだけで結論は出しません。

タグが無い場合はどうなりますか?

タグが切り取られていても査定できます。判断材料はタグだけではないためです。

当店では次の要素を組み合わせて年代を特定します。

  • スポンサーロゴ——契約期間が明確なので、年代を絞る決め手になることが多い
  • エンブレムの仕様——刺繍かプリントか、星の数、記念エンブレムの有無
  • 生地の質感——織り柄の有無、ポリエステルの風合い
  • 襟や袖の形状——ポロ襟、Vネック、袖口のリブ仕様
  • マーキングの書体——リーグごとに指定書体が変わる時期がある

とくにスポンサーは強力です。フィオレンティーナの「Nintendo」、エバートンの「NEC」、レンジャーズの「McEWAN’S LAGER」——契約していた期間が分かれば、そこから年式が逆算できます。

タグを見るときに注意することはありますか?

年代と合わないタグが付いている個体には注意が必要です。

デザインは1990年代のものなのに、タグだけが2000年代以降の様式になっている。ブランドロゴが当時は刺繍だったはずの箇所がプリントになっている。こうした食い違いは、復刻版であるか、あるいは正規品でない可能性を示します。

ただし、これらは経験を要する判断です。ご自身で無理に判定していただく必要はありません。当店が現物を確認し、正規品と判断できたもののみお買い取りします。仮に判断がつかない場合も、理由をお伝えしたうえでご返送します。

まとめ:4つの手がかりを重ねて絞り込む

ユニフォームの年代は、タグの4か所を順に見ることでおおよそ絞り込めます。

  1. 製造国——MADE IN ENGLAND/FRANCE/ITALY/WEST GERMANY は古い時期の目安
  2. サイズ表記——胸囲のインチ併記や国旗一覧は旧様式
  3. 洗濯表示——英文併記の素朴な様式は古い
  4. ブランドロゴ——世代ごとに形状が変わる

そのうえで、デザインとスポンサーを重ねれば、多くの場合は年式まで特定できます。

とはいえ、これをお客様ご自身で行っていただく必要はありません。当店は1990年代以前のフットボールシャツを専門に扱っており、タグの写真1枚から年代とモデルをお調べします。クラブ名も年代も分からないまま、そのままお送りいただいて構いません。

よくあるご質問

タグが色あせて読めないのですが査定できますか?

できます。読み取れる範囲の情報と、デザイン・スポンサー・エンブレムを合わせて判断します。読めない場合でも査定額に影響はありません。

タグを切ってしまったユニフォームは価値が下がりますか?

年代の特定がしづらくなるため、判断に時間をいただく場合があります。ただしタグの有無だけで大きく減額することはありません。デザインと状態が評価の中心です。

タグが付いたままの未使用品は評価が変わりますか?

変わります。購入時の下げ札(ハングタグ)が付いたままのデッドストックは、現存数が少ないため個別に査定いたします。

ヴィンテージフットボールシャツの査定について
当店では90年代以前のフットボールシャツを中心に、コレクション品として査定・買取しています。写真を送るだけで概算をお伝えします。

Sell Your Shirts.

90年代以前のフットボールシャツを、コレクションとして査定します。

クラブ名や年代が分からなくても大丈夫です。まずは写真1枚から。

お電話でのご相談(平日9:00〜17:00)0120-702-708
💬 LINEで査定する 📷 写真を送って査定する